よくある疾患

打撲

激しいスポーツでは、起こりやすい症状です。強い衝撃を受けた部分の皮下組織が傷付いて内出血し、青黒くなる出血斑がみられます。軽い打撲であれば湿布や圧迫固定によって、10日前後で治ります。ただし、関節周囲の打撲、重度の打撲では早急な受診が必要です。特に、スポーツを熱心にされている場合は、パフォーマンスを下げないために軽い打撲でも念のため一度受診しておくことをお勧めします。

捻挫・靭帯損傷

関節や周辺の靭帯・軟部組織がダメージを受けています。関節周辺の腫れや痛み、皮下出血などの症状を起こします。症状が強いケースでは靭帯を損傷している可能性があるため、お早めに受診して下さい。

肉離れ

運動前のストレッチをせずに激しい動きをしたり、普段運動しない方がいきなりスポーツやダンスをしたりすると、肉離れを起こします。肉離れとは筋肉に大きなダメージを受けている状態です。自然に治ると考えている方も多いのですが、損傷の程度によっては包帯による固定や安静をある程度続ける必要があるケースもあります。また、トレーニングの再開も、回復の程度を確認しながら慎重に段階を踏んで行うことが重要です。ストレッチをしっかり行うことで、安全に強い運動が再開できるようになります。

骨折

骨も大きな力がかかったり、捻りなどの負荷がかかると折れたりヒビが入ります。レントゲン検査で折れた場所、折れ方などを確認した上で、場所や状態に合わせてギプス固定や手術など、様々な治療を行います。
損傷を受けた骨は治療可能な時期のタイムリミットがあって、それを逃すと痛みが慢性化したり、治療が難しくなって完全に元には戻せなくなることがよくあります。痛みや腫れが強い場合はもちろんすぐに受診する必要がありますが、折れていても症状が強くないこともありますので注意が必要です。

肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

よく四十肩・五十肩という呼ばれる通り、中高年に多い肩トラブルです。痛みをできるだけ早くなくして、痛みなく動かせるように回復させるためには、適切な治療と医師の指導による理学療法士の正しいリハビリテーションが不可欠です。きちんとした治療を受けないと肩が上がらなくなって固まってしまうケースもありますので、腕が上がらない、肩が痛いなどの症状がありましたら早めにいらしてください。

肩こり

肩こりは、首や背中まで広い範囲に痛みを起こすことも多く、悪化すると頭痛や吐き気などを伴うこともあります。デスクワークやスマートフォンの使用、冷え、ストレスなどによる激しい肩こりが増えています。また、頸椎疾患など、重大な疾患によって起こっていることもあるため、正確に診断してもらうことをお勧めしています。

頸椎症

主に首の痛みが起こり、うなじから背中にかけて、張りや痛み、こりが現れやすくなります。頸椎の骨や椎間板の変形によって起こっていて、神経を圧迫する神経根症や頸髄症になると手足のしびれ、脱力、動かしにくさといった症状が現れます。早急な治療が不可欠ですので、こうした症状に気付いたらできるだけ早くご相談ください。

変形性脊椎症・腰部脊柱管狭窄症

椎間板の変性によって骨棘変形という骨の変形を起こし、慢性的な腰痛や可動域制限を生じさせるのが変形性脊椎症です。また、脊柱管は背骨の中にある管状の部分で、腰部脊柱管狭窄症を起こすと中に走っている神経が圧迫されて腰の痛み、休み休みしか歩けない、足のしびれなどを起こします。レントゲン検査で診断し、適切な治療を行います。

坐骨神経痛・腰椎間板ヘルニア

腰だけでなく、臀部や足にもしびれや痛みが走ります。電気が走るような痛みと表現されます。感覚が鈍くなる、歩きにくいといった症状が現れることもあります。椎間板の突出によって神経が圧迫されて症状を起こします。レントゲン検査だけでは神経の圧迫の程度がわからないため、MRI検査が必要になります。専門的な検査が必要な場合は、高度医療機関をご紹介しております。

腰痛

腰痛は上記以外でも、筋膜性腰痛症、腰椎分離症、腰椎すべり症、脊椎圧迫骨折など様々な疾患で起こっている可能性があります。また、尿管結石などが原因になっている場合もあります。我慢したり、不適切なマッサージや整体などで悪化させてしまうケースも少なくないため、早期に整形外科を受診して原因をしっかり確かめてもらうことが必要です。当院では、整形外科領域の疾患だけでなく、様々な疾患の可能性を考慮して診療していますので、安心してご相談ください。

変形性膝関節症

変形性膝関節症の症状は、蓄積されたダメージの影響が高齢になってから現れることが多くなっています。歩きはじめる時に痛む、正座できない、膝が安定しないなどの症状が現れ、痛みが徐々に強くなって安静時にも痛みが起こるようになり、歩行が難しくなっていきます。膝に水がたまることもあります。原因は、膝関節が弾力性を失って、すり減ってしまうことです。レントゲン検査で状態を確認して、それに合わせた治療を行います。軽度のうちに適切な治療を受け、関節への負担を減らすために筋力をつけるなどにより進行予防につなげられますので、早めにご相談ください。

腱鞘炎(ドゥケルバン腱鞘炎)


「親指の付け根・手首が痛い」と受診される場合、その多くがドゥケルバン腱鞘炎です。雑巾を絞る時のような動作で痛みを感じることが多く、指の曲げ伸ばしの際にバネのように動くこともあります。バネのように指が動いて、起床時に手指のこわばりがある場合はばね指と呼ばれます。ただし、手指のこわばりや痛みは関節リウマチでも初期症状として現れることがあります。早期発見と適切な治療で悪化させずにいい状態を保てるようになっていますので、こうした症状があった場合はできるだけ早く受診してください。
腱鞘炎は、指の使い過ぎで腱が腫れ、腱を納めている腱鞘というトンネル内で引っかかって動きを妨げたり、痛みを起こしたりします。早期であれば、手指を休める、固定する、注射や服薬などによる治療が有効です。進行した場合には手術が必要になりますが、痛みなどの症状は簡単な手術によって治す事ができます。

腱付着部炎

ゴルフ肘やテニス肘などいわれ、腱や靭帯が骨についている部分で炎症を起こしています。肘はスポーツやダンスで大きな負荷がかかりますので、しっかり治さないと治療が長引いたり、再発しやすい傾向があります。悪化すると食事や洗顔などの日常生活にも影響を及ぼします。医師の指示を守って治療と安静を続けてきちんと治しましょう。

痛風

過剰な尿酸が血液中に増えると結晶化します。鋭い針のような結晶が足の親指の付け根などにたまって炎症を起こし、激しい痛みを起こしているのが痛風発作です。原因は高尿酸血症ですが、尿酸値が高くても痛風発作を起こさないことがあります。ただし、発作を起こさなくても尿酸値が高い状態が続くと腎臓などにも大きなダメージが蓄積されてしまいます。尿酸値が高いと指摘されたら必ず治療を受けてください。なお、痛風発作で痛みがある間に尿酸値を下げてしまうと症状を悪化させるため、治療で痛みが落ち着いてから尿酸のコントロールをはじめます。また、尿酸値が下がっても血中の尿酸結晶が溶けるまでは時間がかかります。医師の指示通りに治療をしっかり続けましょう。

巻き爪・陥入爪

つま先の爪が強くカーブして、両端が皮膚に深く食い込んでしまっている状態です。足指の爪の左右を深く切り過ぎるなどによって鋭いトゲ状の爪が刺さって激しく痛み、歩行が困難になる場合もあります。こうなった場合には、医療機関を受診して適切な治療を受ける必要があります。

足底腱膜炎

土踏まずのアーチ部分に過度の負荷を受けて腱がかかと周辺で引き伸ばされ、小さな断裂を起こしている状態です。ジョギング、過度の歩行、立ち仕事などによって起こります。加齢によって腱のしなやかさが失われると発症しやすいとされています。安静が最も重要であり、軽い痛みがある場合は湿布なども有効です。インソールを作成する、ストレッチなども効果が見込めます。なお、痛みが強く炎症を起こしている場合には、ステロイドによる短期間の局所注射治療を行うこともあります。

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